空調設備ダクトの新設や改修を進める中で、規格品では現場に収まらない、図面が残っていないといった状況に頭を抱える担当者は少なくありません。製作と施工を別々の業者に頼むと話がまとまらないという悩みも、現場ではよく聞かれます。
また、工場や厨房では、現場条件に合わせたダクト製作が必要になることもあります。
この記事では、空調設備ダクトの種類と選び方から、現場で起きやすい課題、図面がない状態からでも製作と施工を進める方法まで解説します。
空調設備ダクトの種類と用途別の選び方
空調設備ダクトには形状や素材によって複数の種類があります。
設置場所や用途に合わせて選ぶことが、長く安心して使い続けるための大切なポイントです。
角ダクトとスパイラルダクトの使い分け
角ダクトは四角い断面を持つダクトで、天井裏の限られたスペースに収めやすいのが特徴です。建物の構造に合わせて寸法を自由に設定できるため、梁や既存配管を避けながら柔軟にルートを取りたい場合に向いています。
スパイラルダクトは丸い断面を持ち、空気抵抗が少ないため長い距離を効率よく空気を送るのに適しているのが特徴です。見た目がすっきりしているため、あえて露出設置されることもありますが、取り回しが難しい場所では特注のエルボーや変換部材が必要になります。
どちらが適しているかは、設置スペース、必要な風量、既存設備との接続方法によって変わります。
厨房排気や排煙に向く素材と構造
厨房の排気ダクトには、油煙や水蒸気にさらされ続けるため、耐食性に優れた素材が求められます。排煙ダクトは火災時に煙を外部へ逃がすための設備であり、建築基準法で不燃材料の使用が義務付けられています。
また、厨房の排気ダクトは内部に油脂が堆積しやすいため、清掃口をこまめに設けた構造にしておくと、定期的なメンテナンスがしやすくなります。素材と構造の選定は、用途と法令の両面から判断することがポイントです。
ダンパーと点検口の設置場所の考え方
空調設備ダクトには、風量を調整するための一般空調ダンパーや、防火区画を貫通する箇所に設置が義務付けられる防火ダンパーが組み込まれます。
これらは設計段階で正しい位置に組み込んでおかないと、施工後に追加工事が発生するため、計画の初期段階から検討しておくことが大切です。
点検口は、ダクト内部の清掃や部品の確認を行うための開口部です。設置位置が悪いと、いざメンテナンスが必要なときに作業できないという問題が生じます。日常の点検がしやすい場所に設けることが、長く安心して使い続けるためには重要です。
空調設備ダクト工事で現場担当者が直面する課題は?
空調設備ダクトの工事は、既設設備との干渉や現場寸法の違いによって、設計図どおりに納まらないこともあります。
現場担当者がよく直面する課題を見ていきましょう。
既製品では現場の寸法に合わない
市販のダクト部材は標準的な寸法で製造されており、どの現場にも収まるわけではありません。天井の高さ、梁の位置、既存設備との距離がわずかにずれるだけで、既製品では対応できなくなります。
特に既存設備の改修では、新しい空調機器の接続口径と古いダクトの径が合わないという問題が頻繁に起きます。異径をつなぐためのレジューサーや変換ダクトを現場の寸法に合わせてミリ単位で製作することが確実な解決策です。
他業者の配管が邪魔でルートが取れない
電気配線、給排水管、ガス管など、天井裏にはさまざまな設備が通っています。ダクトのルートを計画しても、他業者の配管が干渉して設計通りに進まないことも珍しくありません。
こうした場合、干渉を避けるための特殊な角度のエルボーや、現場でしか決まらない形状の接続部材が必要になります。現場の状況を把握したうえで、その場で最適な形状を判断して製作できる技術力が解決の鍵です。
ステンレス溶接は技術力が仕上がりを左右する
厨房や化学薬品を扱う工場のダクトには、耐食性の高いステンレスが使われます。ステンレスは熱伝導率が低いため、溶接時に熱が局所に集中して熱歪みや焼けが発生しやすい素材です。
溶接が不均一だと接合部にすき間が生じ、油漏れや異音の原因になります。ステンレスダクトの製作では、TIG溶接による精密な施工と熱管理が仕上がりの品質を直接左右するため、実績のある加工会社に依頼することが安心です。
図面がない現場で特注ダクトを製作から施工まで依頼するには
図面がない、現場の状況が複雑、工期が短いなどの条件が重なる現場でも、製作から施工まで一貫して対応できる体制があれば、現場確認から製作・施工までの調整を進めやすくなります。
写真やスケッチから仕様を整理して製作に入れる
既設設備の改修では、完成時の図面が残っていない現場も多いでしょう。それでも、現場の写真や手描きのスケッチ、おおよその寸法メモがあれば、技術者が現場に足を運んで実測し、CADデータに落とし込んで製作を進めることができます。
発注担当者が用意すべきものは完璧な図面ではなく、現場の状況を正確に伝えようとする姿勢です。どこに何が設置されているか、どの部分が劣化しているか、どういった不具合が起きているかを共有することから、製作の準備が始まります。
一社完結なら仕様変更にも即対応できる
ダクト製作と施工を別々の業者に依頼すると、現場での寸法変更が生じたとき、確認と調整のやりとりに時間がかかります。工場のラインを止めた状態での施工では、ダウンタイムが伸びるほど損失も大きくなるでしょう。
CADデータの作成から板金加工、溶接、塗装、現場への施工まで自社内で完結できる体制であれば、工程間の情報共有がスムーズで、急な仕様変更にもその場で判断して対応できる可能性が高くなります。
窓口が一本化されることで、担当者の連絡コストも大幅に削減できるのがメリットです。
製作と取り付けを見越して手戻りを減らせる
ダクトを製作する人と現場で取り付ける人が別々だと、現場でどのように収めるかという意図が伝わらず、寸法のズレや取り付け方の違いが後から問題になる場合が少なくありません。
製作から施工まで同じ職人が一貫して担当する体制では、現場の梁をどのように避けて収めるかという視点を持ったまま加工・溶接が行われます。取り付けを見据えた製作が手戻りを防ぎ、仕上がりの精度を高めることにつながります。
空調設備ダクトの特注製作と施工は兼子工業へご相談ください
兼子工業株式会社は、愛知県犬山市を拠点に板金加工・溶接・塗装・空調設備施工までを一貫して手がけるものづくり企業です。
角ダクト、ステンレスエルボー、集塵レジューサー、厨房フードなどの特注部材の製作から現場への施工まで、自社内で完結するワンストップ体制を強みとしています。
図面がない状態からでも、現場の写真や手描きのスケッチをもとに仕様を整理して製作に入れます。製作した職人が施工まで一貫して担当するため、現場での寸法トラブルや手戻りが起きにくいのが特徴です。
愛知県内の現場であれば、すぐに足を運んで現場確認から対応します。
空調設備ダクトの新設・改修・修繕でお困りの際は、お問い合わせフォームまたはお電話・FAXからお気軽にご連絡ください。